Latest Reports:デジタルバッジとJV-Campusの実践-国際的な人材流通促進の観点から-
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- Latest Reports:デジタルバッジとJV-Campusの実践-国際的な人材流通促進の観点から-
スキル、経験、様々な学修歴など「アビリティ」の証明となる履歴についての社会的なニーズが高まっています。人材の国際流通性、ジョブ型雇用、リスキリング、人的資本経営など異なった複数の背景がこの動向を押し上げ、いかにして客観的で信用できる証明が可能なのか、またデジタル化され容易に流通可能な形式はどのようなものか、様々な社会実装が進んでいます。このホワイトペーパーでは、国際基準に則ったデジタル証明「オープンバッジ3.0」を中心に、国際人材の流通促進を企図するJV-Campusの試みをご案内します。
オープンバッジの興隆とオープンバッジ3.0の誕生
オープンバッジ3.0は、デジタル認証の新しい標準規格で、個人の学びやスキル、資格を証明する手段として広く利用されています。オープンバッジは、元々2011年にMozillaが提案したシステムで、学習成果やスキルをデジタルバッジ(アイコン)の形で表現し、これを取得した者がその実績をオンラインで共有できる仕組みです。この概念は、特に学びの過程を証明する新たな方法として注目を集め、現在では多くの教育機関や企業で導入されています。
オープンバッジ3.0の特徴と進化
オープンバッジ3.0は、従来のオープンバッジ2.0からさらに進化し、1EdTechが規定する国際技術標準規格に準拠して発行されるデジタル証明書です。これにより、オープンバッジは、教育や職業訓練における認証の信頼性と互換性が一層強化され、世界中で共通に認められる形式となっています。オープンバッジ3.0は、個人の知識やスキルを可視化するだけでなく、バッジに含まれるメタデータによって、バッジを取得するための条件や学習過程、評価基準などの詳細な情報が付加されます。この情報は国際規格であるVerifiable Credentials(検証可能な証明)の規格で実装され、偽造や改ざんのリスクを低減させることができます。
オープンバッジ3.0の利用領域
オープンバッジ3.0は、教育機関だけでなく、企業や団体でも広く使用されています。特に、e-learningやリスキリング(再教育)、社会人教育など、学習がオンラインで行われる場合においては修了証や認定証として活用されることが一般化しつつあります。これにより、学習者は自分の学修歴を証明する手段を手に入れることができ、履歴書や職務経歴書に記載するだけでなく、SNSやリクルートサービスなどで簡単に共有することが可能となります。教育機関においても、専門的な資格やカリキュラム修了証として、オープンバッジを導入することが進んでいます。JV-Campusは2024年12月にオープンバッジ3.0の発行システムを実装し、獲得したバッジをSNS等で共有することを可能にしています。
また企業は自社のインターンシップ参加者や内定者、従業員にオープンバッジを発行することで、その参画と成長を見える化することが出来ます。学習者はオープンバッジを自分のポートフォリオに組み込み、他者との差別化を図ることができます。獲得したバッジは「どのような人物に」「どういった経歴を有する人物に」というポートフォリオ情報と紐づくことで、企業や社会に対しより広く自身の人材価値を訴求することが可能となります。この観点から、JV-Campusはオープンバッジ3.0の発行システムを実装すると同時に、ユーザーに無償のeポートフォリオを提供しています。JV-Campusにおけるオープンバッジの導入は、人材の成長と社会流通の促進という企図から予めポートフォリオ機能を伴って実装されました。