Adobe Premiere Pro v25.x — 操作マニュアル
Speech to Text
字幕作成ガイド
文字起こし → 字幕化 → 翻訳 → 修正 → 焼き込みまで、編集画面内で完結
🇯🇵→🇬🇧 日本語話者の英語字幕 & 🇬🇧→🇯🇵 英語話者の日本語字幕 — 2パターン対応版
日英・英日対応
27言語対応
Premiere Pro 2025 v25.x
AI自動翻訳
SRT書き出し
Section 01
機能概要とワークフロー v25.x 2025
Premiere Pro 2025(v25.x)では、AIエンジンが強化され、UIと設定場所が一部変更されました。キャプションの27言語自動翻訳やメディアインテリジェンス(AI検索)も追加されています。
v25.x 主な変更点
| ダイアログ名 |
シーケンスを文字起こし → 静的トランスクリプトを生成 |
| 言語設定の場所 |
環境設定 → メディア分析と文字起こし(v25.2+) |
| キャプション翻訳 |
27言語AI自動翻訳を新搭載 |
| メディアインテリジェンス |
インポート時にAIが自動分析・検索対応(v25.2+) |
Adobe Senseiのクラウド処理を利用するため、処理中はインターネット接続が必要です。処理後はオフラインでも編集可能です。
Section 02
2つのワークフローパターン
本マニュアルでは、最も一般的な2つの字幕作成パターンを解説します。各ステップで該当パターンの設定を パターンA パターンB のバッジで明示しています。
日本語で話している映像に、英語の字幕を付ける場合。海外向けコンテンツ配信、国際学会発表、英語圏の視聴者向け動画に最適です。
ワークフロー
言語=日本語
→
文字起こし(日本語)
→
字幕生成
→
AI翻訳→英語
→
修正・書き出し
英語で話している映像に、日本語の字幕を付ける場合。海外講師の講義、英語インタビュー、洋画・海外ドキュメンタリーの日本語字幕に最適です。
ワークフロー
言語=English
→
文字起こし(英語)
→
字幕生成
→
AI翻訳→日本語
→
修正・書き出し
パターン別の設定一覧
| 設定項目 |
🇯🇵→🇬🇧 パターンA |
🇬🇧→🇯🇵 パターンB |
| デフォルト言語(環境設定) |
日本語 |
English(US/UK) |
| 文字起こし言語 |
日本語 |
English |
| 字幕トラック C1(元言語) |
日本語字幕 |
英語字幕 |
| AI翻訳先 |
English |
日本語 |
| 翻訳後の字幕トラック C2 |
English字幕 |
日本語字幕 |
| 修正時の注意点 |
英語の文法・自然さを確認 |
漢字変換・専門用語を確認 |
| フォント推奨 |
Arial / Helvetica / Roboto |
游ゴシック / Noto Sans JP |
以降のセクションでは、パターンによって設定が異なる箇所に パターンA パターンB バッジを付記しています。バッジがない手順は両パターン共通です。
Section 03 — v25.x 新機能
事前設定:デフォルト言語を設定する
v25.2以降、文字起こしの言語設定は 環境設定 または 読み込みモード で一元管理されます。毎回ダイアログで言語を選ぶ必要がなくなりました。
パターンA 🇯🇵→🇬🇧
デフォルト言語を 「日本語」 に設定します。日本語の音声を正確に文字起こしすることが最初のステップです。
パターンB 🇬🇧→🇯🇵
デフォルト言語を 「English(US)」または「English(UK)」 に設定します。話者のアクセントに合わせて選択してください。
メニューバーの 「編集」→「環境設定」→「メディア分析と文字起こし」(Mac: 「Premiere Pro」→「環境設定」)を開きます。
🇬🇧→🇯🇵 パターンB
デフォルトの言語
English (United States)
「メディアの読み込み時に自動的に文字起こし」をオンにすると、クリップをプロジェクトに読み込んだ時点でバックグラウンド文字起こしが開始され、作業時間を大幅に短縮できます。
日本語と英語の映像を頻繁に扱う場合は、プロジェクトごとに言語を切り替えるか、文字起こしダイアログ内の「文字起こしの環境設定」から個別に上書きしてください。
Section 04
テキストパネルを開く
すべての操作はテキストパネルから始まります。この手順は両パターン共通です。
メニューバーの 「ウィンドウ」→「テキスト」 をクリックします。ショートカット Shift+Ctrl+T(Mac: Shift+⌘+T)でも開けます。テキストパネルが表示されたら「文字起こし」タブが選択されていることを確認してください。
Section 05
文字起こし(静的トランスクリプト)の実行
v25.xでは「シーケンスを文字起こし」が 「静的トランスクリプトを生成」 に名称変更されました。ここで設定する言語は「映像の音声の言語」です。
パターンA 🇯🇵→🇬🇧 文字起こし言語
言語は 「日本語」 を選択。映像の音声が日本語なので、まず日本語として正確に文字起こしします。
⚠ 日本語の文字起こし精度は英語より低めです。専門用語(マイクロクレデンシャル、OBv3等)は手動修正が必要になります。
パターンB 🇬🇧→🇯🇵 文字起こし言語
言語は 「English(US)」 または 「English(UK)」 を選択。映像の音声が英語なので、まず英語として文字起こしします。
✓ 英語の認識精度は最も高く、クリアな音声であれば高精度な結果が得られます。
テキストパネルの「文字起こし」タブで、パネル上部の ✍(静的な文字起こしを生成) アイコンをクリックします。ダイアログが開いたら、言語が正しく設定されていることを確認してください。
🇬🇧→🇯🇵 パターンB — 文字起こしダイアログ
✍ 静的トランスクリプトを生成
言語
English (United States)
文字起こし
重要:文字起こしの言語は「映像の音声の言語」を選択してください。翻訳先の言語ではありません。言語を間違えると文字起こしが失敗するか、意味不明な結果になります。
文字起こし結果はプロジェクトに自動保存されます。ソフトを再起動しても保持されます。
Section 06
字幕トラックの生成
文字起こしデータをもとに、タイムライン上に字幕クリップを自動生成します。この手順は両パターン共通です。
文字起こしが完了したら、パネル上部の 「キャプションの作成」 ボタンをクリックします。「作成」を押すと、タイムラインに字幕トラック(C1トラック)が追加されます。
パターンA C1トラックの内容
C1 = 日本語字幕(音声と同じ言語)
この段階では元の日本語テキストがC1に入ります。ここで日本語のテキスト修正を行い、その後AI翻訳で英語字幕を生成します。
パターンB C1トラックの内容
C1 = 英語字幕(音声と同じ言語)
この段階では元の英語テキストがC1に入ります。ここで英語のテキスト修正を行い、その後AI翻訳で日本語字幕を生成します。
ポイント:翻訳前にC1のテキストを丁寧に修正しておくと、翻訳結果の精度が大幅に向上します。元言語のテキストが正確であるほど、AI翻訳の品質も高くなります。
Section 07
字幕テキストの修正・編集
AIの認識結果を修正します。翻訳前にC1(元言語)の修正を必ず行ってください。
パターンA 日本語字幕の修正ポイント
・固有名詞の誤認識(例:「マイクロクレデンシャル」→「マイク呂苦例伝者る」)
・技術用語の漢字変換ミス
・句読点や区切りの不自然さ
・「えー」「あの」等フィラーの削除
→ ここで修正した日本語が英語翻訳のソースになります
パターンB 英語字幕の修正ポイント
・固有名詞のスペルミス(例:「Credential」→「Credentcal」)
・大文字/小文字の間違い
・略語の展開・統一(例:OBv3, VC)
・文法的な誤り
→ ここで修正した英語が日本語翻訳のソースになります
テキストパネルの 「キャプション」 タブに切り替えます。各字幕エントリの上でダブルクリックすると直接テキスト編集が可能です。タイミング調整はタイムライン上の字幕クリップをドラッグして行えます。
- クリップを移動:字幕クリップを左右にドラッグ
- 長さを変更:クリップの端をドラッグしてイン/アウト点を調整
- 字幕を分割:カーソルを分割点に置き Ctrl+K(Mac: ⌘+K)
- 字幕を結合:キャプションパネルで2つのエントリを選択し、右クリック→「結合」
Section 08 — v25.x 新機能 ★ 最重要セクション
AIキャプション翻訳(27言語対応)
v25.xの新機能。生成した字幕をAIが自動翻訳し、別言語の字幕トラックを追加します。このステップが日英・英日字幕作成の核心部分です。
パターンA 🇯🇵→🇬🇧 翻訳設定
翻訳元:日本語(C1の字幕)
翻訳先:English を選択
翻訳結果は C2 — English トラックとして追加されます。C1の日本語字幕も残るので、バイリンガル字幕としても使えます。
パターンB 🇬🇧→🇯🇵 翻訳設定
翻訳元:English(C1の字幕)
翻訳先:日本語 を選択
翻訳結果は C2 — 日本語 トラックとして追加されます。C1の英語字幕も残るので、バイリンガル字幕としても使えます。
テキストパネルの「キャプション」タブで、右上の ⋮(オプションメニュー) をクリックし、「キャプションを翻訳」 を選択します。
🇬🇧→🇯🇵 パターンB — 翻訳ダイアログ
🌐 キャプションを翻訳
翻訳元
English(自動検出)
翻訳先
+ 25言語
翻訳
翻訳が完了すると、タイムラインに翻訳言語の字幕トラックが追加されます。翻訳後もテキストは編集可能です。
00:00:00:0000:00:10:0000:00:20:0000:00:30:00
C1 元言語
本日は… / Today…
まず… / First…
OBv3の… / The OBv3…
翻訳後の修正チェックリスト:
パターンA 英語翻訳の確認:文法の自然さ、冠詞(a/the)、時制の一致、固有名詞のスペル
パターンB 日本語翻訳の確認:漢字の正確性、敬語/常体の統一、専門用語の適切な訳語、句読点の位置
翻訳結果はAIによる機械翻訳です。専門用語や固有名詞は必ず手動で確認・修正してください。翻訳もキャプションパネルから直接編集できます。
Section 09
字幕のスタイル設定
フォント・サイズ・色・背景・位置など、字幕の見た目を一括でカスタマイズできます。翻訳先の言語に合ったフォントを選ぶことが重要です。
パターンA 🇯🇵→🇬🇧 英語字幕のスタイル
推奨フォント:Arial、Helvetica、Roboto、Open Sans
フォントサイズ:42〜52pt(英語は日本語より小さくても読みやすい)
1行最大文字数:42文字(SRT標準)
位置:画面下部 85%(英語圏の標準位置)
パターンB 🇬🇧→🇯🇵 日本語字幕のスタイル
推奨フォント:游ゴシック、Noto Sans JP、ヒラギノ角ゴ
フォントサイズ:48〜56pt(日本語は画数が多いため大きめに)
1行最大文字数:20〜24文字(日本語は全角のため少なめ)
位置:画面下部 85%
タイムライン上の 翻訳後の字幕トラック(C2) のクリップを選択し、「エッセンシャルグラフィックス」パネルを開きます。「テキスト」セクションからフォント・サイズ・色などを設定します。
パターンB 日本語フォント注意:デフォルトの欧文フォントのまま日本語字幕を表示すると「豆腐文字(□□□)」になります。必ず日本語対応フォントに変更してください。Adobe Fontsから日本語フォントをアクティベートすることもできます。
「マスタースタイルとして保存」しておくと、同じシーケンス内の全字幕クリップに一括でスタイルを適用できます。C1(元言語)とC2(翻訳先)で別々のマスタースタイルを保存しておくと便利です。
Section 10
書き出し(焼き込み/SRT)
字幕を映像に焼き込む方法と、SRTファイルとして書き出す方法を説明します。
書き出しダイアログの「キャプション」タブで、書き出し方法を選択します。
| 方法 |
用途 |
注意点 |
| 焼き込み(バーン) |
SNS投稿、字幕ON/OFF不要な場合 |
不可逆!元動画を別途保存推奨 |
| SRTファイル |
YouTube、Vimeo、LMS等への別アップロード |
UTF-8エンコード(日本語文字化け防止) |
パターンA 🇯🇵→🇬🇧 書き出しのポイント
焼き込みの場合:C2(English)トラックのみを有効にして書き出します。C1を無効にしないと日本語と英語が二重表示されます。
SRTの場合:YouTubeには英語SRTと日本語SRTを別々にアップロードでき、視聴者が切替可能になります。
パターンB 🇬🇧→🇯🇵 書き出しのポイント
焼き込みの場合:C2(日本語)トラックのみを有効にして書き出します。日本語フォントが正しく設定されていることを最終確認してください。
SRTの場合:日本語SRTはUTF-8(BOM付き)で書き出すと文字化けを防げます。
SRT以外にも、Spruce STL、MacCaption、Timed Text(.tt)などの形式にも対応しています。YouTubeへのアップロードにはSRT形式が最も互換性が高く推奨です。
Section 11
対応言語一覧(27言語)
Premiere Pro 2025(v25.x)のSpeech to Textは以下の言語に対応しています。本マニュアルの2パターンで使う日本語・英語はハイライト表示しています。
| 言語 |
文字起こし |
話者識別 |
備考 |
| 🇯🇵 日本語 A元 B翻訳先 |
✓ |
✓ |
縦書き表示不可(横書きのみ) |
| 🇺🇸 英語(米国) A翻訳先 B元 |
✓ |
✓ |
最高精度 |
| 🇬🇧 英語(英国) |
✓ |
✓ |
|
| 🇨🇳 中国語(簡体字) |
✓ |
✓ |
|
| 🇰🇷 韓国語 |
✓ |
✓ |
|
| 🇫🇷 フランス語 |
✓ |
✓ |
|
| 🇩🇪 ドイツ語 |
✓ |
✓ |
|
| 🇪🇸 スペイン語 |
✓ |
✓ |
|
| 🇵🇹 ポルトガル語 |
✓ |
✓ |
|
| 🇮🇹 イタリア語 |
✓ |
△ |
話者識別は精度が低い場合あり |
| 🇷🇺 ロシア語 |
✓ |
△ |
|
| 🇦🇪 アラビア語 |
✓ |
△ |
RTLテキスト表示対応 |
Section 12
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法をまとめました。
- タイムラインパネルをクリックして、シーケンスがアクティブになっていることを確認
- インターネット接続を確認(Adobe Senseiはクラウド処理)
- Adobe Creative Cloudにサインインしているか確認
- Premiere Proを最新バージョンに更新
- 録音時のノイズを削減(Adobe Auditionのスペクトル修復を活用)
- 音量を適切に(クリッピング・小音量どちらもNG)
- 専門用語が多い場合は文字起こし後に手動修正が前提と割り切る
- 「音声外のギャップをフィルター」にチェックを入れ、無音部分を除外する
- エッセンシャルグラフィックスで日本語対応フォント(游ゴシック、Noto Sans JP、ヒラギノなど)に変更
- Adobeフォント(Adobe Fonts)から日本語フォントをアクティベート
- キャプション形式が「サブタイトル(SRT)」になっているか確認(CEA-608はASCII系で日本語非対応)
- SRT書き出し時にUTF-8エンコードを確認(テキストエディタで開いて化けていないかチェック)
- 翻訳前にC1(元言語)のテキストを徹底修正する — 誤字・脱字・文法ミスがあると翻訳品質が連鎖的に低下します
- 長すぎる字幕は分割する(1字幕あたり2行以内を推奨)
- 固有名詞・略語は翻訳後に必ず手動チェックする
- 高品質な翻訳が必要な場合は、AI翻訳をドラフトとして活用し、プロの翻訳者にレビューを依頼する