
今回は、第二次世界大戦以降に継続的に行われてきた核兵器の開発と実験によって、被曝した人々に焦点をあてていく。
実戦での核兵器使用は、広島と長崎の2都市に限られるが、20世紀の冷戦期には、核保有国は実に2000回以上の核実験を行っている。核兵器の地上・地下実験、製造過程での事故等、核廃棄物などによって、放射線被害を受けている人(いわゆる"グローバル・ヒバクシャ(Global Hibakusha)")が多数いることが、広島市立大学のロバート・ジェイコブズ名誉教授の研究で明らかになっている。彼らグローバル・ヒバクシャは、核保有国による絶え間ない核兵器の近代化によって生み出された存在である。
アメリカは、戦争終結の1年後から南太平洋上のマーシャル諸島で核実験を行った。中でも1954年3月の水爆実験(ブラボーテスト)は、マーシャル諸島の住民、日本の漁船の乗組員が被曝するなど、世界的に大きな衝撃を与えた。
このレクチャーは、世界のヒバクシャの声なき声を伝えた人々にも焦点をあてていく。アメリカの核施設の風下に住み自ら被曝したトム・ベイリー氏、その意志を継いだ歴史家のサラ・フォックス氏、フォトジャーナリストの豊﨑博光氏の活動なども交えながら、核実験がもたらした被害と、未来への責務を考えていく。


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