分野 | 工学

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デザイン・サイエンス

デザインは、「人びとの暮らしをより豊かなものとする実践であり科学」です。この科目では、主として「デザイン・サイエンス」の視点から、今日におけるデザインがどのようなものかを概説します。「デザイン・サイエンス」とは、「蓄積されている知識や技術を用いてデザインする」学問領域です。本科目では、デザインに取り入れられてきた材料科学、人間工学、心理学などの多様な学問領域を踏まえ、今日における「デザイン・サイエンス」の総体を学びます。

Content/学習内容

  • デザイン・サイエンスとは何か

    デザイン・サイエンスとは,ヒトを対象とした実験や調査によって得られた知見をデザインに応用しようとする学問のことです.このコンテンツでは,まずデザインサイエンスとは何かという問いに答えた後に,材料を例に挙げ,人の様々な特性について知ることの重要性とこれまでの研究例について述べていきます.

    Videos

    /学習動画

    • デザイン・サイエンスとは何か

      なぜ人を知ることが重要なのかについて生理学,心理学,材料学,デザイン学の視点から学びます.

    • 材料の視点から考えるデザイン

      材料を例に,モノと材料,ヒトの関係について学びます.特にヒトの感じ方を調査することの必要性について考えます.

    • 材料の視点から行った研究例

      材料の視点から行った研究を例に,材料からデザインを考えることの可能性について述べます

    Lecturers

    /講師

    • 寺内文雄

      千葉大学

  • データ分析法の選択

    • データマイニング手法
    • 一般化線形モデル

    人を対象とした実験や調査におけるデータ分析法について解説する。

    Videos

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    • 2択(買う・買わない等)に効く要因を知りたい

      2群を分ける要因を明らかにする分析法として,データ構造を示した上で,判別分析,林の数量化理論II類,決定木,バスケット分析について解説する。

    • イメージを測りたい

      物事のイメージを測る際の分析法として,データ構造を示した上で,主成分分析,林の数量化理論III類,自己組織化マップについて解説する。

    • 結果に影響する要因を知りたい

      結果に影響する要因を明らかにする分析法として,データ構造を示した上で,重回帰分析,林の数量化理論I類,一般化線形モデルについて解説する。

    Lecturers

    /講師

    • 桐谷佳惠

      千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート 准教授

  • 人間の情報処理能力を測定するための低コストで可能な実験装置の紹介

    • プログラミング
    • 反応時間
    • 時間順序判断課題

    人間の情報処理能力を測定することの意義を、自ら測定できるようになる過程を通して学ぶ。

    Videos

    /学習動画

    • 必要な装置構成を理解する

      ヒトの反応時間を正確に測定するために必要な装置構成を理解する。

    • 測定システムを構築し実際にデータを取得する

      刺激呈示と反応測定のための回路と接続するマイクロコンピュータで動作させるプログラムを理解し,実施に反応時間を測定してみる。

    • 紹介したデバイスの応用と展開

      構築したシステムをつかってより高度な情報処理能力の測定例を試してみる。

    Lecturers

    /講師

    • 石橋圭太

      千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート

  • ヒトの生体信号(心電図)を測定するための低コストで可能な実験装置の紹介

    • プログラミング
    • AD変換
    • 心拍変動解析

    ヒトの生体信号を測定することの意義を、自ら測定できるようになる過程を通して学ぶ。

    Videos

    /学習動画

    • 必要な装置構成を理解する

      ヒトの生体信号を正確に測定するために必要な装置構成を理解する。

    • 測定システムを構築し実際にデータを取得する

      心電図を測定するための装置に接続されたマイクロコンピュータのプログラムを理解し、心電図を測定し分析してみる。

    • 測定結果を解析し考察する

      心拍変動性について概要を理解し,測定解析時に注意する点を理解する。生体信号測定結果の生物学的意味を考える練習をする。

    Lecturers

    /講師

    • 石橋圭太

      千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート

  • 人間を中心としたデザインの考え方

    • 科学
    • 方法論
    • 人間の機能
    • ヒューマンエラー

    デザインにおける科学の役割を理解して,人間中心設計とはどういうことか,みんなで考えましょう.

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    • デザインと芸術,科学

      芸術は,個人の中で知識とスキルが体系化されるものです.科学は,社会の中で普遍的な知識と技術が体系化されるものです.本講義では,デザインと芸術,科学の関係について解説します.

    • 人間工学の基礎

      人間工学は,ハードウェア・ソフトウェア,環境,運用・管理が人間を中心としてとりまいている状態を,システムとして考えます.このシステムのパフォーマンスを高め人間のウェルビーイングを高めることを目標にして,機器や環境などを設計する学問領域です.

    • 人間工学によるデザインの方法論

      人間の生理的特性,形態的特性,心理的特性を科学的に考察し,ヒトにとってよい物や環境をデザインする方法を紹介します.

    Lecturers

    /講師

    • 下村義弘

      千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート 教授

  • 人間工学の視点の深化

    • ユニバーサルデザイン
    • 生理機能
    • ヒューマン・マシン・インタフェース
    • 医工学

    人間工学の視点でアフォーダンスやユニバーサルデザインをとらえ直し,事例を考えることで,人間工学を深めましょう.

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    • アフォーダンス、ユニバーサルデザインの批判

      従来のアフォーダンスを,脳内の運動計画としてとらえ直します.またユニバーサルデザインを,人間の普遍性の点からとらえ直します.人間工学と生理人類学によって,デザインはより本質的になります.

    • 事例紹介1(手で使う道具、包装、HMIなど)

      手の構造と機能にあったデザイン,感覚機能と運動機能をあわせたヒューマン・マシン・インタフェースなどの人間工学デザインの事例を紹介します.

    • 事例紹介2(医療機器、医工学連携など)

      外科用の道具,アシストスーツ,手術支援ロボット使用時のストレス評価などの人間工学デザインの事例を紹介します.

    Lecturers

    /講師

    • 下村義弘

      千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート 教授

  • 「デザインする」を科学する

    • デザイン過程
    • デザイン理論・方法論
    • AGE思考モデル
    • 多空間デザインモデル

    「デザインする」という創造的な行為を理論的かつ体系的にその概略を説明します.

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    • 「デザインする」とは?

      デザイン科学を視点として「デザインする」を理論的かつ包括的に説明します.

    • デザイン過程とAGE思考モデル

      デザイン科学におけるデザイン過程とその過程で用いる分析・発想・評価からなる思考モデルを概説します

    • デザイン理論の枠組み

      デザイン科学におけるデザイン理論の枠組みの一つである多空間デザインモデルについて概説します.

    Lecturers

    /講師

    • 佐藤浩一郎

      千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート

  • 野外科学としてのデザインサーベイ:「野に出て生活を学ぶ」

    デザインは生活をより良くするための科学や実践です。良いデザインを考えるためには、実際の生活の諸相をデザイナー自身が把握する必要があります。デザインサーベイとは、そんな生活現場に身を置き、デザイナー自身が地域性や歴史性などを踏まえて調査や分析を行いながらデザインを考案していく手法です。本講義ではデザインサーベイの概念からはじまり、具体的な方法、さらには話者が実際に行った事例を紹介します。

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    • デザインサーベイの概念

      デザインサーベイの概念について、野外科学を参照しながら説明します。

    • デザインサーベイの実践

      具体的なデザインサーベイの実施方法や調査時の注意点などを紹介します。

    • デザインサーベイの事例

      話者が行ったデザインサーベイに基づくデザインの発想について、具体的事例を紹介します。

    Lecturers

    /講師

    • 青木 宏展

      千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート

  • エコデザインとサステナブルデザインの基礎と応用

    • サステナブルデザイン
    • ライフサイクルアセスメント(LCA)
    • 循環型経済
    • システムイノベーション

    エコデザインとサステナブルデザインは、環境・社会・経済のバランスを考慮し、持続可能な製品やシステムを設計するアプローチです。本講義では、エコデザインの基本概念、持続可能な開発の視点、ライフサイクルアセスメント(LCA)を活用したデザイン戦略を学び、実際のデザインプロセスへの応用方法を探ります。

    Videos

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    • エコデザインの基礎

      エコデザインは、製品開発プロセスに環境要素を統合し、経済・社会・技術的要件のバランスを考慮したデザイン手法です。本講義では、エコデザインの基本概念と歴史的発展、3R(リサイクル・リユース・リデュース)の考え方、及び持続可能な開発目標(SDGs)との関係について解説します。

    • サステナブルデザインの基礎

      サステナブルデザインは、環境・社会・経済の要素を考慮し、将来世代のニーズを損なうことなく、現在のニーズを満たすデザイン手法です。本講義では、「Our Common Future」の概念を基に、持続可能な開発の定義、デザインの役割、産業デザイナーの貢献について解説します。

    • エコデザインのシナリオモデル

      エコデザインのシナリオモデルは、製品の環境負荷を削減し、持続可能な社会を実現するための設計プロセスです。本講義では、Brezetの「エコデザイン4段階モデル」を基に、製品改善・再設計・機能革新・システム革新のステップを解説し、LCA(ライフサイクルアセスメント)を活用したエコデザイン戦略について学びます。

    Lecturers

    /講師

    • UEDA EDILSON (ウエダ エジウソン )

      千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート 准教授

  • エコデザインとサステナブルデザインの高度なテーマと未来の探求

    • サステナブルサービスデザイン
    • 循環型経済
    • 持続可能なイノベーション
    • 事例研究

    本講義では、エコデザインとサステナブルデザインの発展的なテーマを取り上げ、将来に向けた革新的なアプローチを探求します。エコデザイン戦略、サステナブルサービスデザイン、持続可能なイノベーションの事例研究を通じて、環境・社会・経済のバランスを考慮したデザインの可能性を考察し、未来志向のデザインの在り方を学びます。

    Videos

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    • タイトル: 将来志向のエコデザイン戦略

      エコデザイン戦略は、持続可能性を考慮し、製品やサービスのライフサイクル全体で環境負荷を低減する手法です。本講義では、エコデザインの8つの戦略(材料選定・生産・流通・使用・再利用・リサイクル・廃棄・システム革新)を紹介し、アクティブ製品とパッシブ製品の設計における役割の違いを考察します。

    • サステナブルサービスデザインとその応用

      サステナブルサービスデザインは、環境・社会・経済のバランスを考慮し、資源の再利用や循環型経済を促進するサービスを設計する手法です。本講義では、持続可能なサービスの基本概念、モジュラリティやライフサイクルの考え方、エコマイレージカードなどの具体的な応用例を通じて、持続可能な社会に貢献するデザイン戦略を学びます。

    • サステナブルデザインにおける革新的なコンセプトの事例研究

      サステナブルデザインにおける革新的なコンセプトは、気候変動や資源枯渇などの地球規模の課題に対応するための新しいデザインアプローチです。本講義では、エコデザインの4段階モデルを基に、持続可能なイノベーションの必要性を考察し、「モバイルグリーンハウスファームシステム」や「Windtree」などのデザイン事例を通じて、未来志向のデザイン戦略を学びます。

    Lecturers

    /講師

    • UEDA EDILSON (ウエダ エジウソン )

      千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート 准教授

  • デザイン行為・思考の特徴

    • 言葉の意味
    • コレクティブデザイン

    デザインの言語概念、デザイン行為・思考の特徴、ならびにコレクティブデザインのアプローチについて確認する.

    Videos

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    • デザインの言語概念

      人間の思考は言語的過程と強く結びついています.本講義では、デザイン思考や行為を表すことば、また関連する言葉の概念についてその意味内容と位相を理解していきます.

    • デザイン行為・思考の特徴

      デザイン行為・思考の特徴 として、具現化、仮説推論、未来に向けた構成型の探究、の三つの観点を確認していきます.

    • 集合的創造としてのデザイン

      デザイン行為・思考の特徴 として、協働型イノベーションに向けたコレクティブデザインを考えていきます.

    Lecturers

    /講師

    • 樋口 孝之

      千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート 教授

  • 論文の書き方

    • 書き方
    • 構造化
    • パラグラフ・ライティング
    • アウトライン

    修士論文,博士論文,投稿論文を念頭に,科学論文の書き方について解説する。

    Videos

    /学習動画

    • 論文の構成

      科学論文とはどういうものか,論理的構成とは何かを説明し,論文の構成例やわかりやすく書くためのポイントを示す。

    • 論文の構造化

      科学論文を書く上で重要な3つの事柄,構造化,スタイルとフォーマット,文法について,説明する。

    • アウトラインの重要性

      科学論文を書く上での3つの指針を示し,それらを実行するために重要となるパラグラフ・ライティング,アウトラインについて例を交えて解説する。

    Lecturers

    /講師

    • 桐谷佳惠

      千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート 准教授

  • デザイン・サイエンス

    現在進行中の研究例の紹介,先生方へのインタビュー,先生によるデモンストレーションによって,デザイン・サイエンスの領域で行わエrている研究について理解を深める.

    Videos

    /学習動画

    • 材料計画研究室でいま行っている研究

      材料計画研究室で行っている現在進行中の研究の例を示すことを通して,大学で,何のためにどんな研究をしているのかを理解する.

    • 先生方へのインタビュー

      3名の先生方へのインタビューを通して,先生方の研究に対する情熱について知る.

    • 下村先生によるデモンストレーション

      下村先生と学生によるデモンストレーションから,生理学的にヒトを測ることや人の動きを可視化する方法について学ぶ.

    Lecturers

    /講師

    • 寺内文雄

      千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート

    • 寺内文雄

      千葉大学

    • 下村義弘

      千葉大学

  • 知られざるタイの事例:部族文化とデザイン

    タイの部族文化とデザインの関連性について学びます。

    Videos

    /学習動画

    • 知られざるタイの事例-イサンのリズム

      デザインを焦点に、タイの文化とタイ東北地方のルーツについて学びます。

    • 知られざるタイの事例:カレン族の事例

      デザインを焦点に、タイの部族文化について、事例を通じて詳細に学びます。

    • 知られざるタイの事例:文化の融合

      デザインを焦点に、外国文化の影響とタイ文化への融合について学びます。

    Lecturers

    /講師

    • 石戸 光

      千葉大学 大学院国際学術研究院 教授

  • 応用デザイン、文化資本、特産品のデザイン

    文化資本をデザインによって特産品に変える方法について、タイの事例を通して学びます。

    Videos

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    • タイのイサーンにおける応用デザイン

      タイのイサーン地方の文化的要素やタイ東北部のスタイルをデザインに応用する方法を学びます。

    • 文化資本を高める-物語を特産品に変える

      タイ文化の物語を特産品デザインに組み込む方法を学びます。(パート1)

    • 文化資本を高める-文化資本を高めるためのデザイン

      タイ文化の物語を特産品デザインに組み込む方法を学びます。(パート2)

    Lecturers

    /講師

    • 石戸 光

      千葉大学 大学院国際学術研究院 教授

Staff/スタッフ

    寺内文雄
    千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート
    桐谷佳惠
    千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート
    准教授
    経歴

    1990年 3月 千葉大学文学部行動科学科 卒業
    1992年 3月 慶應義塾大学大学院社会学研究科心理学専攻修士課程 修了
    1994年11月 イタリア政府奨学金留学生としてPadova大学に留学(〜1995年6月まで)
    1995年 9月 慶應義塾大学大学院社会学研究科心理学専攻後期博士課程 単位取得満期退学
    1999年 2月 慶應義塾大学大学院社会学研究科心理学専攻後期博士課程 博士(心理学)取得
    1997年 4月 千葉大学工学部工業意匠学科助手を経て現在に至る

    石橋圭太
    千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート
    下村義弘
    千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート
    教授
    佐藤浩一郎
    千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート
    青木 宏展
    千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート
    UEDA EDILSON (ウエダ エジウソン )
    千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート
    准教授
    樋口 孝之
    千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート
    教授
    石戸 光
    千葉大学 大学院国際学術研究院
    教授

Competency/コンピテンシー

科目の目標

デザインしたものを客観的な指標を用いて評価し、印象や使い易さなどを確認したり、実社会における野外科学の考え方を取り入れた「デザイン・サイエンス」の基礎を学びます。得られた成果をデザイン実践に結びつけることはもとより、論文としてまとめ共有するための基礎的な知識・技術を習得し、「デザイン・サイエンス」に取り組む能力を涵養します。

履修者の到達目標

【思考・知識】デザインしたものを客観的な指標を用いて評価し、印象や使い易さなどを確認する「デザイン・サイエンス」の基礎を学びます。
【応用力】「デザイン・サイエンス」の基礎を踏まえ、得られた成果をまとめ共有するための基礎的な知識・技術を習得します。
【主体性・能力】デザイン・サイエンスの考え方を取り入れながら、「人びとの暮らしをより豊かなものとする」ことに寄与する主体性と実践力を習得します。

Information/その他の情報

教材・参考文献

日本語

使用しているサンプルプログラムとサンプルデータはこちらからダウンロードできます。
https://researchmap.jp/multidatabases/multidatabase_contents/detail/290036/d2056d71307240fbfa7ca7f42c289127?frame_id=645918

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