日本語の今
日本語には今、かつてないほどに世界からの関心が高まっています。
国際交流基金(JF)の2021年度の調査1)によれば、海外における日本語教育機関数は18,272 機関(133か国、8地域)に上り、日本語学習者数は3,794,714人、教師数は74,592人となっています。調査を開始した1979年からの過去42年間で、機関数は16.0倍、教師数は18.2倍、学習者数は29.8倍へと増加しています。
また、日本国内に目を向けると、一時、COVID-19の影響で減少した外国人留学生の受け入れ数も回復し、2022年度の文化庁の調査2)によれば、国内の日本語学習者数は219,808人、日本語教師数は44,030人となっているとのことです。
1) 出典:国際交流基金「海外の日本語教育の現状 2021年度海外日本語教育機関調査より」pp.7-8.(https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/survey/result/survey21.html)
2) 出典:文化庁『令和4年度日本語教育実態調査「国内の日本語教育の概要」』p.5.(https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/nihongokyoiku_jittai/r04/)
※外国人に対する日本語教育等を実施している国内の機関・施設等のうち回答のあったものについてのみ集計した数値であり、国内のすべての日本語学習者、日本語教育実施機関・施設等及び日本語教師数を集計したものではありません。
日本語の中心に
「日本語ひろば:Japanese Language Learning Hub」では国内外の日本語学習者と日本語教師へ向けて【学び】から【活用】までをサポートするコンテンツや、【留学】・【就職】のための情報を提供します。 「ひろば」の英訳である「Hub」は、もともとは車輪やプロペラの中心という意味ですが、現在はネットワークの中心という意味でも使われています。 「日本語ひろば」は、国内だけではなく海外の教育機関で日本語を学ぶ人、日本語を教える人が集(つど)い、学びあい、教えあい、ともに成長し、それぞれの夢や目標に向かってまた飛び立っていく、そんな「日本語の中心」になりたいと考えます。
「日本語ひろば」では、日本文化や日本語に興味がある日本語学習者が、それぞれのニーズに合った日本語の講座や教材で学ぶことができます。
基礎的な日本語や生活に必要な日本語だけではなく、日本への留学を考えている学習者には、日本の留学生活に必要なアカデミック日本語を、日本の企業で働きたいという学習者には、日本企業への就職に役に立つビジネス日本語の学習コンテンツやツールを提供しています。
また、日本語教師の方へは、「日本語ひろば」のコンテンツの活用方法や、授業で使えるアイデアなどを提供しています。
始める、使う。 / Orientation
使い方
はじめての方は「日本語ひろば」の使い方を動画で学ぶことができます。自分の現在の日本語レベルを知る方法や、自分のレベルやニーズにあった講座や教材の探し方、そして留学や就職のための情報の集め方などを、動画で確認しましょう。
日本語のレベルをチェックをする
「日本語ひろば」では、CEFRを参考とした「日本語教育の参照枠(さんしょうわく)3)」で示されている6つのレベルをもとにあなたの日本語の力をチェックすることができます。また、暫定的かつおおよその目安となりますが、そのレベルがJLPT(日本語能力試験)やBJT(BJTビジネス日本語能力テスト)ではどのレベルに対応するのかも確認できます。まず、あなたの日本語のレベルをチェックしてみましょう。
3) 出典:文化庁「日本語教育参照枠の概要」p.6.(https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/chiikinihongokyoiku/r05_boshu/pdf/93841301_04.pdf)
日本語教師の方へ
「日本語ひろば」では、国内外で日本語を教える日本語教師の方へ「日本語ひろば」のコンテンツの活用方法や、授業で使えるアイデアなどを提供するだけでなく、教材作成や学習者評価に役立つコンテンツやツールも紹介しています。
探す、学ぶ。 / Library
「日本語ひろば」では、講座、提供機関、日本語レベルなどから、あなたに合った講座や教材を探すことができます。いつでもどこでも自分のペースで学べるオンデマンド講座以外にも、日本の大学が提供する短期集中型の日本語講座に申し込むことができます。あなたの興味とペースに合わせて、あなたの日本語を探してください。
続ける、役に立つ。 / Tools
「日本語ひろば」では、日本語の勉強を継続するために、あなたの得意を伸ばし、苦手を克服するためのツールやアプリを提供しています。漢字が得意な方には、より使用頻度の高い語彙を学習できる漢字学習アプリを、会話が苦手な方には毎日継続して練習できる音声評価ツールなどを紹介しています。
進む、働く、受ける。 / Career Center
「日本語ひろば」で、できることは日本語の勉強だけではありません。日本へ留学したい、日本の大学、大学院へ進学したいと考える国内外の日本語学習者には、日本の教育制度や日本の大学・大学院についての情報などを提供しています。
また、日本で働きたい、日本の企業に就職したいと考える学習者には、日本で就職活動をするための情報や、外国人留学生の採用に関心の高い企業の情報などを提供しています。さらに、留学、就職に必要なJLPTをはじめとする日本語試験の情報も紹介しています。
聞く。 ~わたしの日本語~ 留学生インタビュー/ Interview
日本への留学という夢への第一歩を踏み出すために、実際に日本の大学・大学院で学ぶ外国人留学生の声を聞いてみましょう。なぜ日本に留学しようと思ったの? どんな準備をしたの? これから日本に留学しようと思っている人へのアドバイスは? 先輩たちの体験談に耳を傾け、あなたの夢へとつながるルートを見つけてください。
知る。 ~あなたの日本語~ 日本語教師インタビュー/ Report
「日本語ひろば」で提供されているさまざまな学習コンテンツやツールは、どのような学習者を対象に、どのような目的をもって開発されたのでしょうか。実際に、そのコンテンツやツールを作成した開発者である日本語教師の方に、その開発の背景と活用方法について聞いてみました。
会う、話す。 / Communication
2000年代以降、ソーシャルネットワーキングサービスは世界中に広がりました。外国語学習の専門家である村上吉文氏4)によれば、SNSの普及によって、ほかの日本語学習者や日本人との交流を通じて日本語を学ぶ「ソーシャル型」と呼ばれる日本語独習者が現れたといいます。海外にいても、SNSを利用すれば、「生(なま)の日本語」に触れることはそう難しいことではありません。あなたの日本語学習にソーシャルメディアをもっと活用してみましょう。
4) 出典:村上吉文(2017)「むらログ2017:冒険と多様性(冒険の書)」kindle版(電子書籍)